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長友佑都 11年前

フィオレンティーナに警戒されていた長友。“攻撃へのスイッチ”はいつ入ったのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

スイッチが入った交代策

 右でもグアリンとジョナタンに対し厳しいチェックが掛かり、やはりペースを上げられずにいた。その一方で左を使おうと思っても、ビルドアップを切られて難しかったのである。

 加えて相手が攻撃に転じれば、今度はホアキンが持てる技術を駆使して仕掛けて来る。ボールの持ち方が絶妙で奪いにくく、また周囲の使い方も上手く、マーカーのタイミングを盗んでスペースへ飛び出す動きも絶妙だ。

 こういう相手を前に慎重になるのは仕方のないところ。前半のロスタイムは左から1対1を仕掛けてクロスを上げた長友だが、さすがに今までの試合のように攻めさせてはもらえなかった。

 攻撃を戦術的に潰され、ペースを握らせてもらえなかったインテル。そんな彼らが先制を許すのは当然の流れで、後半15分には右サイドを崩された後にPKを献上してしまう。昨シーズンならここから自滅へ一直線というパターンだったが、今季のインテルはひと味違う。

 マッツァーリ監督は直ぐさま、プレスの前にたじたじだったタイデルをコバチッチと交代。そしてミスの続いたグアリンを下げて2トップにし、中盤のインサイドをアルバレスとコバチッチというテクニシャンで固めた。

 この采配は、長友にもスイッチを入れた。左のインサイドではアルバレスが相手のチェックを巧みなボールコントロールでかわし、また自らもウイング然に縦に飛び出してくれるので、連動して前に攻めることが出来るようになる。

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