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長友佑都 11年前

フィオレンティーナに警戒されていた長友。“攻撃へのスイッチ”はいつ入ったのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

右サイドでも効果的に機能

 20分にはエリア内へ単独で切り込みシュート。攻撃にスイッチの入った長友は、25分にはフォアチェックの後にDFトモビッチを倒し、判定に激高してバレーリ主審からイエローカードをもらう。

 前半から高圧的なジャッジをしていただけに抗議は自重して欲しかったとも思うが、闘志の表れと考えればあの時間帯では許容されるテンションだ。その1分後、インテルはCKから同点。そして38分には、アルバレスのクロスをジョナタンが叩き込み、逆転に成功した。

 長友に関しては、終了間際の右サイドでのプレイについても特筆しておきたい。やられ気味だったジョナタンがペレイラと交代し、長友が右へと回されたのは“守備の保険”と考えられるが、彼はタスクをきちんと消化。

 終了間際のクロス阻止など守備で着実に仕事を果たすとともに、44分にはドリブルで切り込んで左足でシュートを狙うなど、行ける時には攻めに行きサイドでの主導権を保っていた。サイドを入れ替えてもスペースを埋めるだけに終わらず、遜色なく仕事をしたことは、チームや監督からの信頼を強める上では重要なものだっただろう。

 インテルはこれで4勝1分とし、ユベントスやナポリと並んで2位に浮上。内容は圧倒的ではなかったものの、上位対決を逆転にものにしたところは、前節のサッスオーロで長友が言った「ビッグクラブの貫禄、正真正銘のインテル」の表れだろうか。

【了】

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