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日本代表 11年前

セルビア戦で試すことが濃厚。ザックジャパンが[3-4-3]に挑戦する意義とは何か?

ザックジャパンの一つのテーマである[3-4-3]。未だチームとして機能した姿を見せることは出来ていないが、今日のセルビア戦でも試行することが濃厚だ。何度試しても上手くいかないフォーメーションに挑戦する意義とはどこにあるのか?

text by 河治良幸 photo by Asuka Kudo / Football Channel

「ボールを奪えた時、点を取れる確率が高くなる」(今野)

ザッケローニ
ザッケローニ監督が[3-4-3]にこだわり続ける理由は?【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

「我々の目指すスタイルは、攻守に渡って11人で連動していくこと」と語ったザッケローニ監督。欧州でも有数の実力を持つセルビアを相手に、ポジティブなトライをしていきながら、基本コンセプトである「勇気とバランス」をチェックしていくことを強調した。

 そうした中で[3-4-3]をテストすることは大きなリスクになりかねないが、指揮官はこのシステムを使いこなすことが、本番で大きな武器になると考えている様だ。

 ザッケローニ監督が[3-4-3]にこだわり続ける理由は曖昧模糊とした部分があったが、ここに来て彼が強調しているのは常に3人を前に残せること。

 DFの今野も「3-4-3の前の3がそんなに守備をせず前に残るので、3トップ気味に近くなる。だからボールを奪えた時、自分たちがボールを持った時はすごく攻撃的になるし、点を取れる確率が高くなる」と語る。

 メキシコ戦から本田と香川をシャドーに置く[3-4-2-1]とも呼べる形を用いているのは、前の3人が良い距離感で崩す方が同じ[3-4-3]でも攻撃の特性を出しやすいと考えるためだろう。ウィングを置く[3-4-3]ではサイドに数的優位を作りやすいが、そこに固執するとゴール前の人数が足りなくなる。

 状況に応じた動き方の理解が選手たちの中で完全に消化されれば、ウィングの選手がうまく流動することでサイドの数的優位とフィニッシュの厚みを両方出すことができるだろう。

 しかし、現状としてはなかなかそこまで到達するのは難しい。基本的な動きに頭を使う部分が多く、流れの中で相手を出し抜くところまで選手たちが意識を共有できていなかったためだ。

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