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連載コラム 11年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。ドゥンガが支援した貧民街の現実

日本人にも馴染みの深いブラジル人選手、ドゥンガ。ジュビロ磐田で一時代を築き、ブラジル代表でも活躍した。現役中からドゥンガはチャリティ活動をしてきた。ブラジルの貧民街は日本では想像もつかないほど過酷だ。

「第三世代」のドゥンガ

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「第三世代」のドゥンガ【写真:田崎健太】

 元ブラジル代表監督のドゥンガを語るには、彼の歩んできた人生に触れざるをえない――。

 ブラジルのサッカー選手を「社会への関与」という観点で分類すると、三つの年代に分けられる。

 第一世代は、1970年代半ばまで現役だった選手たちだ。彼らの時代はサッカー選手という職業が確立されていなかったため、糊口を凌ぐので精一杯だった。

 第二世代、80年代以降にサッカーは人並み以上の収入を得られる職業となった。選手の教育水準も上がり、引退後にはサッカースクールやチーム経営に乗り出すという形で社会と関わる人間が出て来た。ジーコなどはここに加えられる。

 そして第三世代――90年以降、スポーツ及びサッカーが巨大な、そして世界的なビジネスとなった中でプレーした選手たちだ。彼らのほとんどは国外のクラブでプレー経験を持ち、莫大な収入を得た。彼らは現役中から社会貢献に積極的である。

 貧民街に施設を作ったジョルジーニョ、貧しい人たちのために財団を作ったレオナルドとライー、タファレル、国会議員となったロマーリオ――94年W杯アメリカ大会の優勝メンバーの多くがチャリティ活動を行っていることは興味深い。

 ドゥンガはその代表的な人物でもある。

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