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フランス・リーグ1がチーム数の削減を検討か。協会会長の爆弾発言の真意とは?

text by 小川由紀子

チーム数削減の意図はどこに?

 実際には、97-98シーズンから 01-02シーズンにかけて、リーグ1には18クラブ制の時代があった。翌02-03シーズンから現行の20クラブ制に移行したのだが、その翌年にはすでにティリエーズ氏は18クラブ制へ戻すことを訴え、このときは投票に参加した35クラブ中26クラブの反対を受けて棄却されている。

 今回も最終決定はクラブ代表者たちによる投票で決められることになるが、「現在の経済危機の前から、18クラブが妥当ではないかと思っていた」とコメントしたリヨンのオラス会長や、「この経済難を脱するためには、何かしらの措置が必要だ」と“改革”自体に前向きな姿勢を示したナンシーのルースロ会長など、賛成派もいるにはいるが少数派ゆえ、ゴーサインが下される可能性は低いだろう。

 ところで、この提案をじっくり観察してみると、ティリエーズ氏の真の意図は、フランスリーグの底上げにあるような気がする。

「過密な試合数を減らして、ゲームの質を上げる」というのは、欧州カップ戦に出場しているクラブに最も求められる救済措置だ。さらにはヨーロッパリーグ出場クラブへのボーナスなど、直接恩恵を受けるのは一部の上位クラブだけ、という印象さえ受ける。

 実際、試合数が減ればその分、チケット売り上げから来る収入は減るというデメリットもあるのだから、カップ戦にも残れず、リーグ戦だけが生命線となるクラブには、かえって収入減少となってしまう可能性さえあるのだ。

 それでもティリエーズ会長が欧州カップ戦出場クラブを優遇したいのは、世界のサッカーシーンで、フランスサッカーの位置づけが年々低下していることに危惧を抱いているからに他ならない。

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