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負け知らず! 2束わらじの松本育夫監督。集客でも記録を残せるか?

 負けなし記録だけでは飽き足らない。勝った上でたくさんのお客さんにまた来場していただくことこそが男の仕事だ――。

text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka

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豪腕・松本育夫監督の負けなし伝説はまだまだ継続中【写真:松岡健三郎】

 負けなし記録だけでは飽き足らない。勝った上でたくさんのお客さんにまた来場していただくことこそが男の仕事だ――。

 豪腕・松本育夫の負けなし伝説はまだまだ継続中。栃木SCの監督に就任して以降、リーグ戦は5戦4勝1分。一つも負けられない戦いを、本当に負けないまま走り続けている。

 もしかすると僕らは後に語られることになるだろう伝説の過程を見届けているのかもしれない。

 しかし、そんな周囲の期待を凌駕する考えを松本育夫監督は持っていた。

 第37節で東京ヴェルディに勝利した後の勝利監督インタビューで松本監督は「何よりも重要な東京ヴェルディ戦の勝利、振り返っていかがですか?」と問われると、松本育夫監督はインタビュアーの質問に答えるよりも先に、まずはサポーターに向かって、

「あのう、雨の中お集まりいただきまして、ありがとございました。選手たちが皆さんの心を受け止めて、一つにまとまって戦った結果が今日の勝利に繋がったと思います。本当にありがとうございました」

 と気持ちを伝えた。そして続けざまにこう話したのだった。

「ただ、今日のゲームはホームゲームの最後から二番目なんですね。11月10日の北九州戦は今季最後のホームゲームになります。どうか皆さん、今季の最後のホームゲームをご覧になってください。がんばります!」
 
 勝利の喜びを伝えた上で、ホームゲーム最終戦の営業を怠らない松本育夫監督。

 この日は試合前から大雨の栃木県グリーンスタジアム。観客動員は4,278人だった。もしも11月10日のホームゲームで3,311人以上を達成すれば、栃木はクラブ史上初めて年間動員10万人、8,311人以上を動員すれば平均動員数5,000人以上を達成する。

 松本育夫監督のもう一つの仕事は、クラブの観客動員数を押し上げること。それがもう一つの顔であるクラブの取締役として課せられた大役なのだ。 

 普段、練習に駆けつけるサポーターには、練習前に必ず頭を下げて、何度もお礼の言葉をかけて気持ちを伝える松本育夫監督。

 サポーターもその気持ちを十二分に感じとっており、東京ヴェルディ戦後の松本監督の呼びかけに大歓声で応えていた。
 
 東京ヴェルディ戦の勝利で松本体制は最高の状態にある。

 11月10日のホーム最終戦まで負けなし記録を継続し、さらに当日の試合にも勝利すれば、松本育夫監督は再び最高の勝利監督インタビューを迎えることになる。

 そしてその後、今季最後の2試合は千葉(フクアリ)、京都(西京極)という上位チームとのアウェー連戦で今季締め。
 
 まずは11月10日、豪腕・松本育夫の勝利監督インタビューが実現すれば、いったいどんな言葉が飛び出すのだろうか。

 ワクワクが止まらない。松本育夫伝説が現在進行中だ。

【了】

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