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Jリーグ 10年前

磨かれ続ける“ガンバの至宝”。長谷川監督はいかにして宇佐美の高いポテンシャルを引き出したのか?

text by 下薗昌記 photo by Asuka Kudo / Football Channel

昇格後の課題は宇佐美のパートナー

 やはり今季前半、FW起用され新境地を開拓していた倉田秋は、指揮官をこう評している。

「健太さんは小さいFWでもクロスに上手く飛び込めば点は取れると言っているし、教え方も上手い」

 徳島戦21分の先制点。カウンターの流れから遠藤保仁が右サイドの大森晃太郎にボールを展開すると、中央で待つ背番号39は小刻みなステップで青山隼のマークを外し、ニアでピンポイントに合わせている。

 富山戦後、「後はクロスをしっかりと合わせられるようになれば」と長谷川監督が話した課題について、早速成長の跡を見せるあたりは非凡の一言だ。

 リーグ戦の土壇場に来て、現状のベストの布陣を見出した感がある長谷川ガンバだが、早くも昇格後の課題が透けて見える。それは宇佐美を活かしうるFWの獲得である。

 現状のFW陣のようなタメを作り切れないパートナーでなしに、タメを作り出せる相棒を得れば、背番号39はJ1でも十分にゴールを量産するだろう。

 名伯楽の手中で確実に磨かれているG大阪の「至宝」。

「動きの質を高めて行きたいし、この働きを継続して行きたい」という希代のシューターが描く成長曲線とワールドクラスのシュートセンスを考えれば、来年のワールドカップでも十分、秘密兵器になりうるはずだ。

【了】

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