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低迷するチーム、守備的な戦いへの歯痒さ。ボーフムで奮闘する田坂祐介の現在地

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

スコアレスドローで乗り切ったボーフム

 上位相手に前半をかろうじて無失点で乗り切ったこともあってか、スタジアムは少し活気を取り戻して、後半戦へと突入した。

 試合展開は、前半戦とさほど変わらなかった。ボーフムは若干ディフェンシブに戦い、カイザースラウテルンが攻め立てていく。カイザースラウテルンに、油断があったのかもしれない。相手は4連敗中の16位、いつでもゴールを割れるさ、といったような。

 ゴールは、なかなか割れなかった。深紅で染まったスタンドの一角は、しびれを切らしたのか、試合終了が近づいてくると、発煙筒に火を灯した。夜のスタジアムの片隅が、赤く燃え上がった。

 ボーフムは、0-0で対カイザースラウテルン戦を乗り切った。貴重な勝ち点1を、もぎ取った。

「…いつ点を取られてもおかしくはなかったし、カイザースラウテルンがもっと繋いで来れば、ウチも後手後手になってやられるところも、早めに放り込んでくれたりしたのでこっちも楽になったんですけど」

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