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【独占インタビュー】中西大介氏に聞くJリーグのアジア戦略「次に提携するのはマレーシア。W杯予選もっと厳しくなればいい」

text by 本多辰成 photo by Kenzaburo Matsuoka

レ・コン・ビンで見えた「方程式」

――本格始動から2年目を迎えている「アジア戦略」ですが、現時点で、成果や課題などはどんなものが見えていますか?

「走りながら考えている中で、課題も見えてきました。まず、各国でなるべくたくさんの人にJリーグを見ていただけるようにと苦心してきたんですが、放送を見ていただくためには、現地のスター選手がJリーグで活躍しないことにはブレイクスルー(打開)しないということ。ある程度わかっていたことではありますが、やはりそうだな、と」

――その点に関しては今季、ベトナムのレ・コン・ビン選手が札幌入りするという動きがありました。

「コンサドーレと協力してレ・コン・ビン選手を獲れたことで、一つ成功の方程式ができたんじゃないかと思っています。日本国内だけでなく、ベトナムでも大きく報道されているので、それはとてもよかった。

 それから、APEC(アジア太平洋経済協力)の会議の冒頭で、安倍首相の挨拶が『レ・コン・ビン選手が活躍している。ベトナムとのスポーツ交流を進めていきたい』というものだったんです。Jリーグがそんなことをやっているんだ、というのが一般の方々にもわかっていただけたのはとても大きかったと思いますね」

――レ・コン・ビン選手の存在によって、放映権などで具体的な動きはあるのでしょうか?

「ベトナムでは今、J1しか放送されていないんですが、レ・コン・ビン選手の加入によってJ2の権利もほしいと言ってきています。やっぱりJリーグを認知していただき、見ていただくためには、この手法なんだろうなと思っています。

 他のJクラブでもこのパターンで続きそうなクラブがいくつか出てきていて、相談を受けているので、このパターンはおそらく続くと思いますね」

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