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代表 10年前

ワールドカップ出場を目指す北朝鮮代表 彼らが推し進める改革とは?

text by 金明昱

「外貨稼ぎだと色眼鏡でみる目がおかしい」

 そして某スポーツ紙に書かれていた内容で気になったのが、“一流選手を育成しサッカー界での北朝鮮の国際的な地位を高め、将来的にはプロになった選手を通じ外貨を獲得する狙いがあるとみられる”というくだりだ。

 李氏は「外貨稼ぎだと色眼鏡でみる目がおかしい」と話す。

「例え選手たちをイタリア、スペインに選手を送りこんでも、こう言ってはなんですが絶対にプロになれるとは限りません。有名クラブプレーできる選手がいたとしても、ほんの一握りでしょう。日本代表のトップ選手でさえもビッククラブへの移籍は狭き門だということは、常識的に考えてもわかると思います。それを外貨稼ぎのために選手を送るとは、おかしな話です。

 選手たちは純粋に有名クラブでプレーしたり、W杯に出場したいという夢を持っています。ここで学んだ選手たちが、段階的に成長すれば2018年ロシア大会は難しいですが、2020年東京五輪出場を目指す主力メンバーにはなってくるでしょう。もしかすると、今回留学した北朝鮮選手たちを、日本で見られる日が来るかもしれません」

 確かに李氏の言う通り、誰もがプロになれるわけでもない。マンチェスター・ユナイテッドでプレーする香川真司のような選手が出てくるのかも未知数だし、ワールドカップにもまだ2回しか出場したことがない国である。

 東アジアの中では日本と韓国に大きく差をあけられている北朝鮮だが、ここにきてようやくジュニア育成に本腰を入れてきた。日韓との差を詰めるにはかなり時間がかかるだろうが、長期的なスパンで古豪復権を狙っている。

【了】

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