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伸びしろでは32ヶ国でNO.1、強力攻撃陣擁するアルジェリア。W杯本大会で“化ける”可能性も

text by 河治良幸

アタッカーに揃うタレント。しかし守備は…

algeria
アルジェリアの基本フォーメーション

 アフリカ予選は彼らをチームに取り込む過程で行われたもので、残り半年での伸びしろは32カ国の中でも高い方にあるはず。特に22歳で本大会を迎える技巧派MFのタイデルは、その若さでインテル攻撃陣のポジション争いに割り込み、着実に経験を積んでいる。

 バレンシア所属のフェグリはスペインでも屈指のサイドアタッカーで、その果敢な仕掛けにはバルセロナやレアル・マドリーの守備陣も手を焼いている。

 ここにタイデルと同じくインテルでプレーするベルフォディルがフィットして加われば、地力に勝るベルギーやロシアを持ってしても、一筋縄では対処できない強力な攻撃陣が完成する。ただ、攻撃の起点となるのはボランチのラセンとイエブタだ。

 彼らが前後左右にボールを散らし、タイミング良く鋭い仕掛けにつなげるのが基本となる。言い換えれば、ここからのラインを断たれると、アルジェリアの攻撃は機能不全に陥りやすいのだ。

 経験豊富でバランス感覚に優れる2人だが、ハイプレッシャーにやや弱い面がある。アフリカ予選ですら苦しんだ“30歳コンビ”をこのまま軸とし続けるのか、プレミアリーグのクリスタル・パレスに所属するグエディウラなど新たなセットを組み込むのか、ハリルホジッチは残る強化日程を睨みながら探ることになるだろう。

 ディフェンスラインも押し込まれると苦し紛れのキックで相手にボールを渡してしまいがちだ。基本スタイルを軌道修正する必要はないが、安定したビルドアップはチームの生命線だけに、本大会に向けてしっかり完成度を高めたい部分だ。

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