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連載コラム 10年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。“サッカー王国”の歩き方

アマゾンへの長い旅路

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【写真:田崎健太】

 日常会話に不自由がなくなったのは、ブラジルに渡ってから2ヶ月後ほどだろうか。

 サンパウロから約3000キロ離れたポルトベーリョという街までバスで向かった。冷房のないバスで窓を開けたまま、40度を超える場所を昼夜50時間走り続けた(途中、日本代表が試合を行うクイアバも通過した)。

 そして、ポルトベーリョからアマゾン川支流のマデイラ川を船で登った。3日ほどで着くはずだったが、雨で川のど真ん中で座礁し、1週間近く掛かることになった。ぼくは船の中で朝から晩まで時間つぶしのためにブラジル人から話しかけられ、言葉を覚えた。

 そして今も年に一度、3週間程度はブラジルを訪れている。

 サンパウロやリオ、ポルトアレグレという大都市はもちろん、宝石を掘るためにトッカンチンス、ブラジルの作家ジョルジ・アマードが描く作品の舞台が見たくなりバイアのイリェーウスなどへも行ったこともある。

 何よりブラジルへの理解を深めさせてくれたのはフッチボールだった――。

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