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イタリア、オランダを抑えてのポッド1入り。スイスはW杯シード国としての戦力があるのか?

text by 河治良幸 photo by Getty Images

未だ定まっていない1トップ

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スイス代表の基本フォーメーション

 左右のサイドバックは攻守に渡る奮闘を約束するが、右のリヒトシュタイナーは無尽蔵の運動量、左の新鋭ロドリゲスは良質なビルドアップを持ち味としており、スイスの組織的な守備と多角的な攻撃をベースアップさせている。

 特にユベントスで活躍する“フォレストガンプ”ことリヒトシュタイナーがどれだけ攻め上がれるかがスイスの得点力のポイントになるため、前方のシャキリと組む縦ラインと同サイドで対峙する相手の“つばぜり合い”が勝負に大きく影響しそうだ。

 英雄フライの引退によって“空席”となった1トップの有力候補は巨漢FWのデルディヨクと見られていたが、レバークーゼンで壁に当たると代表でも失速。欧州予選の前半戦はチャンスをことごとく潰してしまった。

 そこで抜擢されたのが22歳になるセフェロビッチだ。シュートセンスの高さに加え、シャキリやジャカなど周囲のフィニッシュを引き出すポストワークに優れる。レアル・ソシエダのFWとしてチャンピオンズリーグに出場し、無得点ながら貴重な経験を積んだ。

 セフィロビッチが真に“フライの後継者”となれるかどうかはスイス代表の得点力に直結するが、他の選手も割って入りうるポジションであり、2004年の欧州選手権で最年少得点を記録したフォンランテンの様なラッキーボーイが出現してもおかしくない。

 ニュルンベルクで清武と縦のコンビを組むドルミッチがその可能性を感じさせるが、20歳前後にタレントは多く、サプライズの選出も考えられる。

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