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NHKですら事実を歪曲。誤訳・過剰演出が横行するサッカー番組、偏向報道の真実

text by 長束恭行 photo by Getty Images

スポニチのとんでもない誤報

 98年にW杯初出場3位の偉業を成し遂げたクロアチアだが、「フランスで最も苦しんだ相手が日本だった」と関係者は口を揃えていた。それだけに、インタビューする誰もが日本サッカーに敬意を払っていた。しかし、それでは“絵”的に面白くない。

 クロアチア陣営が自信過剰であるかのように見せるためにコメントをブツ切りにし、大きなテロップも利用すれば効果満点。もしくは声優を使って悪役っぽく吹き替えさせればいい。

 抽選会直後、日本代表を紹介したクロアチア紙をディレクターに貸すと、「日本サッカーの認知度が低い」との切り口で「ガンビ・オオサキ(編注・ガンバ大阪)のナスシ・オオグロ(編注・大黒将志)」という表記を紹介した。「ナスシ」は明らかな誤りだが、「ガンビ・オオサキ」はクロアチア語特有の格変化だった…。

 これは余談だが、対戦前日にスポニチがクロアチア代表スタッフの発言として「日本と言えばイチローだな。彼がイチバンだ」という言葉を取り上げ、大いに読者を煽った。これは某局が私の代わりにコーディネーターとして雇ったクロアチア系米国人の発言であって、断じてクロアチア代表スタッフの発言ではなかった。

 その後も日本メディアの愚行は続く。そしてNHKはまたもとんでもないことをしてしまったのだった…。

【了】

続きは『サッカー批評issue66』にて、お楽しみ下さい。

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