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エースの帰還、反撃の狼煙を上げたシャルケ。内田はフンテラールと共に地元誌の一面飾る

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

ボランチとしてのボアテング

 フンテラールを別とすれば、HSVとの一戦で目を引いたのはいわゆる「8番」としてのボアテングだ。前半戦は主にトップ下、そしてワントップで起用されることの多かったボアテングは、この試合でノイシュテッターとともにDoppelsechs(ダブルボランチ)を形成する。

 右のボランチでプレーしたボアテングは、ビルドアップで実力を発揮した。最終ラインから積極的にボールを受け、攻撃をリードしていく。前半途中には、相手ボランチのアースランを後方へと釣り、スペースを空けて内田からトップ下マイヤーへの見事な縦パスを引き出した。オフ・ザ・ボールでも効果的な動きを見せる。ボアテングがボランチに入ることで、シャルケはより多彩な攻撃を仕掛けられるようになった。

 しかし難点もある。ボアテングは攻撃面では申し分ないのだが、不慣れなところもあるのだろう、このポジションでのディフェンス能力が若干不安定である。内田がかろうじてクリアしたものの、ヘッドでの繋ぎの部分では、連係面での不足を露呈してしまう。

 スコアの上ではリードしながら、シャルケは再三相手の左SHチャルハノルの進入に手を焼いた。より一層、右サイドに相手の攻撃の圧力がかかってしまっていた。37分、FWジョンを倒して内田が受けたイエローは、そのことと無縁ではないだろう。

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