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香川真司 10年前

苦境の要因はマンU監督ではなく自分自身にあり――。英国人記者が分析する、香川真司に足りないこと

text by ショーン・キャロル photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

エデン・アザールとの違い

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チェルシーのキーマンとなったエデン・アザール【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 香川がサブとして一週間を過ごしたのに対して、アザールはニューカッスルを相手にハットトリックを決めてチェルシーをリーグトップに導いた。そして、ジョゼ・モウリーニョ監督に将来のバロンドール候補だと言わしめた。

 ちょうど2ヶ月前、アザールは練習を無断欠席しモウリーニョから「子供」と言われ、シャルケとのチャンピオンズリーグでメンバー落ちしていた。しかし、彼は現在スタンフォードブリッジに様々な攻撃のオプションをもたらしている(そして2012年と2013年にクラブの最優秀選手に選出されたフアン・マタを余剰戦力としてはじき出した)。

 アザールが持つ自分への自信は、多くのタレントの中でも彼をキーマンとして確立した。そして、誰に聞いても彼は自らの能力に全幅の信頼を置く、カジュアルで楽天的な人間だと言う。

「動きの無いゲームでは、違いを生み出すためにトライし続けなければ行けない。攻撃の選手はそのために存在する」と、彼は昨年6月のチェルシーのオフィシャルマガジンで話していた。

「私は、自分に何が出来るか分かっている。私は、一つの動きで相手を抜き去り、チャンスを作り出すか、自ら得点する。それは、自分の能力がどんなものであるかを知ることで実行することが出来ると思う」

 香川にも、それら全てが出来る。だが、彼が自分自身を信じているかどうかは、完全に別の問題だ。

【了】

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