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本田圭佑 10年前

本田はなぜ右で輝けないのか? 求められるチャレンジする勇気

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

足りない仕掛けの意識

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アデル・ターラブ【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 そういう状況の中では結局単独で突破し、ボールを運べるターラブのような選手がサイドとしては活きる。タイプの違う本田にとって、現状は不憫だ。ただしボローニャ戦ではスペースがあり、前を向いてボールを保持出来たときにも、決して良いプレーは出来ていなかった。

 例えば、ブーイングを呼んだ後半の7分。

 本田は前を向いてボールを保持したにも関わらず、フリーでサイドに流れたカカーやデ・シリオにも叩かず、かといって彼らをおとりに使い空いたスペースに仕掛けることもなく、バロテッリとのワンツーも狙わずにボールをこね、時間を使った末に近場の選手にバックパス。攻撃的な選手としては消極的なプレーの選択だった。

 後半の頭に、右サイドで再三フェイントを掛けたシーンもそう。ロストはしなかったものの、シュートやクロスで完結出来ていない。例えばこれが同じ左利きであるインテルのアルバレスなら、マーカーを空転させクロスに到達しているところだ。スピードで勝負が出来ないのならば、キレと間合いで勝負をするしかない。だがそういった仕掛けも足りなかった。

【次ページ】右足も磨くべき理由
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