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“海外組”は本当に適応できているのか? 言語問題で孤立する日本人選手たち

text by カイ・サワベ photo by Ryota Harada

「60%くらい理解できる」はずだった宇佐美だが…

 フランス語を確実に理解できるようになるまで「4年くらいかかった」と言う松井だが、松井はル・マンで活躍した。さらにサンテチエンヌやグルノーブルに所属した後、ロシアのトムスクやブルガリアのスラヴィア・ソフィア、ポーランドのレヒア・グダニスク等、言葉がほとんど通じないクラブでもプレーした。

 イタリアで長年プレーした森本は、移籍後1年で通訳から離れ、その後は「間違えながら」イタリア語を習得したそうだ。言葉がわからなくてもチームメイトの輪の中に入っていって、メチャクチャなイタリア語をしゃべりまくったという。

 昨シーズンまでドイツ・ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンとホッフェンハイムでプレーした経験を持つ宇佐美貴史は「言葉は必要不可欠」と断言する。彼はブンデスリーガに移籍後1年で通訳を付けずに試合やトレーニングに臨むようになった。ドイツ語で言われていることが「60%くらい理解できる」ようになっていた。

 しかし、監督の交代に伴って宇佐美の出場機会が減ったとき、彼についてドイツ・ビルト紙にショッキングな記事が載った。

「ドイツ語が十分でなくてスタメンから外れる、ウサミとホセル」 実際のところ、外国のクラブでプレーするには、現地の言葉はどの程度習得する必要があるのだろうか。

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