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ブンデス日本人選手、第25節現地採点を振り返る。ニュルンベルク残留を左右する清武のパフォーマンス

text by 本田千尋 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Ryota Harada

圧巻だったチャルハノル

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後期開幕当初のアグレッシブな姿勢を取り戻したい【写真:原田亮太】

 39分には、左サイドでファン・デル・ファールトとチャルハノルに囲まれながらもボールをキープし続け、FKを獲得する。清武は対HSVを通して、目立ったミスもなく、高いクオリティーを示し続けた。

 オフサイドの判定にはなってしまったが、54分にはドリミッチへとスルーパスを通す。67分過ぎには、ロウシェクが左からペナルティエリアに進入したのに合わせて、右からエリアに入っていくもパスは来ず。

 78分にはペナルティエリア内でシュートチャンスがあったが、またもアドラーに阻まれる。清武の安定したパフォーマンスには指揮官フェルベークも満足していることだろう。

 しかしこの試合、両チームの攻撃陣の中で最も存在を示したのは、HSVのトルコ代表、チャルハノルだった。80分、試合開始直後と同じ位置から、力強くボールをゴールに突き刺す。誰もが焦がれた先制弾だった。

 スタジアムだけでなく、ベンチも爆発する。チャルハノルのチームを救うゴールで勢いに乗ったHSVは、86分にはイラチェクの左サイドのクロスから、フランツのオウンゴールを誘発した。

 結果的に26本ものシュートを放ち、アグレッシブな姿勢を貫いたHSVが、2-1のスコアで勝利を収めた。

 同じ攻撃的MFであるチャルハノルの圧巻のパフォーマンス、そしてチームの敗戦もあって、清武にはKickerとBildの両誌とも厳しい点数を付与したのだろう。清武だけでなく、ニュルンベルクの攻撃陣には軒並み厳しい評価が下った。

 ハンブルクでの結果を受けて3連敗となってしまったニュルンベルクだが、ここでまた後期開幕当初のアグレッシブな姿勢を取り戻す必要がありそうだ。そしてこの試合に限っては厳しい点数を付与されたが、そのパフォーマンスの質を考えれば清武は、今シーズンの最後の最後までニュルンベルクの欠かせないピースとしてピッチに立ち続けるだろう。

【了】

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