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電通が次に仕掛けるアジア戦略。日本サッカー底上げのカギ握る、アジアのスポーツビジネスに迫る

新興国を中心に経済成長の熱気に沸くアジア。それはスポーツの世界も例外ではない。今回は、シンガポールにある電通スポーツアジアの森村國仁社長兼CEOにアジアでのスポーツビジネスをめぐって話を聞いた。

text by 長沢正博 photo by Masahiro Ngasawa , Kazhito Yamada / Kaz Photography

アジアのスポーツの発展を目指して

電通が次に仕掛けるアジア戦略。日本サッカー底上げのカギ握る、アジアのスポーツビジネスに迫る
電通スポーツアジア・森村國仁社長兼CEO【写真:長沢正博】

 電通スポーツアジアは、アジアでのスポーツビジネスの強化を目的に、2010年にシンガポールに設立された電通の100%出資子会社。

 昨年12月にミャンマーで開催された東南アジア競技大会(SEA Games)では、ミャンマー政府からスポンサーシップ・マネジメント・コンサルタントに指名された。アジアで存在感を増している企業の一つである。

 森村國仁社長兼CEOは同社の設立に中心的な役割を果たした人物だ。

――まず電通スポーツアジア設立の経緯は?

「アメリカの大学を卒業後、1997年に電通に入社しました。はじめはセールスプロモーションの部署に配属されたのですが、2年目の1998年、サッカーのフランスW杯の要員が必要だということで、まったく経験はなかったのですが、サッカーを担当することになりました。2002年の日韓W杯ではスポンサーシップやイベント、PRを中心的に担当していましたね。

 2005年に、電通はサッカーのビジネスを広げるため、アジアサッカー連盟(AFC)の独占的なマーケティング権を持つワールド・スポーツ・グループ(WSG)という会社に出資をしたんです。

 WSGへの出向という形で私は2005年から08年までシンガポールに駐在しました。その3年間で、サッカー、クリケット、ゴルフを中心にアジアのスポーツを勉強させてもらいました。

 2008年に一旦日本へ戻りましたが、今度来る時は自分で仕事がしたいと思い、1、2年かけて幹部を説得して、2010年の9月に会社を設立できました」

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