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CLベスト16、2ndレグ。マンU逆転の可能性はわずか5%、序列上がった香川は出場濃厚

text by 海老沢純一 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Ryota Harada

マンUはプライドを懸けた一戦。1失点も許されない状況

 それならば、マタはカップタイドによって出場不可のためオリンピアコス戦の序列はヤヌザイ→ウェルベック→香川となる。そのため、途中出場は限りなく可能性があり、場合によっては先発もあり得るだろう。

 逆に、それでもヤングやバレンシアを起用したなら、モイーズ監督は指導者に必要な“一貫性”に欠けた人物となってしまう。

 ユナイテッドは、FAカップ、キャピタルワン・カップともに敗退し、リーグ戦では16日終了時点でCL圏内の4位まで勝ち点12差の7位。もはやプライドを示すチャンスはCLのみという状況。

 さらに、オリンピアコスはアレックス・ファーガソン時代には4試合で一度も負けたことが無い相手。その相手にダブルを喫するようなら、誇り高きクラブの歴史に泥を塗ったシーズンとして人々に残ることになるであろう記憶が、より強烈なものになってしまう。

 ユナイテッドが勝ち抜けるためには、最低でも3-0。しかも、初戦でアウェーゴールを奪えなかったため、1失点も許されない。モイーズ監督にはベストなスタメン選定を願いたい。

 一方のオリンピアコスは、歴史を塗り替える大チャンスといえる。前述の通りファーガソン時代のユナイテッドには4戦全敗し、イングランドのクラブとのアウェー戦では11連敗を喫している。

 しかし、ファーガソンのチームとモイーズのチームは全く別物であることは、対戦したオリンピアコスの面々が最も良く知っているはずだ。

 さらに、15日にはギリシャ・スーパーリーグで5試合を残して優勝を確定。UEFA.comが“今季最大の大一番”と伝えたユナイテッド戦の前に優勝を決めたことで、最高のモチベーションで臨めるだろう。

 オリンピアコスがベスト8入りとなれば、2010-11シーズンぶりの快挙となる。

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