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バルサ移籍禁止通達、クラブは裏の企みを確信。韓国サッカー協会の不可解な動きと疑問点多いFIFAからの処分

text by 山本美智子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

バルサばかりに焦点が当たる違和感。未成年の海外移籍禁止はもはやナンセンス

 バルセロナは今回の件を遺憾とし、ジョセップ・マリア・バルトメウ会長は記者会見を開いた。また、カタルーニャ州で最も人気があり、クラブのスポンサーでもあるTV3局にも出演するなど、その火消に懸命だ。

 FIFAへの控訴も百枚を超える膨大な資料を添付した上で、既に行った。今回の処分は一歩間違えると、まるで未成年の子どもを誘拐し、サッカーをダシにして教育も与えずに子どもを売り買いしているかの如く解釈されかねない。

 しかし、実際は広く知られているようにバルセロナのユース組織、通称マシアに所属する選手達は学校の勉強もきちんとしていないと週末の試合には出場させてもらえず、かなり厳しい教育的指導を受けている。海外から来ている一部の選手にとっては、母国よりもよほど恵まれた環境で勉学できているとクラブ側は主張する。

 個人的には、クラブ側の主張はかなり筋が通っていると思う。2014年現在、EU圏外の未成年の選手の海外移籍禁止などという規約は現況に適応しておらずナンセンス。今回、バルセロナばかりに焦点が当たっていることも、かなり奇妙だ。

 18歳以下の選手の獲得など、今ではトップチームでなくても日常的に行っていることだ。9歳でレアル・マドリーとの契約を大々的に報道された中井卓大君など、まさに今回のFIFAのケースでいけば、ど真ん中に当てはまる。

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