【W杯直前ルポ】未完成のスタジアムをめぐる歓迎と冷遇。ブラジル人がセレソンより愛するもの

ブラジルW杯の開幕戦が行われるスタジアムがまだ完成していない。ここはコリンチアーノにとって悲願だった。彼らは自前のスタジアムがなかったのだ。歓迎はあるが、冷ややかな目もある。ブラジル人にとってW杯やセレソンは一番ではないのだ。

2014年04月22日(Tue)10時53分配信

シリーズ:ワールドカップ直前ルポ
text by 田崎健太 photo Kenta Tazaki
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まだ完成していない開幕戦のスタジアム

 4月半ばを過ぎると、高度700メートルに位置するサンパウロは夏から駆け足で秋になる。

【W杯直前ルポ】未完成のスタジアムをめぐる歓迎と冷遇。ブラジル人がセレソンより愛するもの
サンパウロに新設されたアレーナ・コリンチャンス【写真:田崎健太】

 ところが先週土曜日は30度を超え、太陽がじりじりと照りつけていた。青空に浮かんだ雲は秋の形へと変わっているが、まだまだ夏の匂いが残っている。

 W杯開幕まで2ヶ月を切っている――。

 6月12日の開幕戦、ブラジル代表対クロアチア代表戦は、サンパウロに新設されたアレーナ・コリンチャンスというスタジアムで行われる。

 このアレーナ・コリンチャンスは今回のW杯の準備不足を象徴している。

 まずは昨年11月のことだ。

 作業中のクレーンが倒れて作業員2人が死亡した。さらに今年3月にも1人が死亡する事故が起きている。事故後、安全が確保されるまで建設作業が中断となり、完成が遅れている。

 こうした一連の事故もあり、総工費は当初の予定よりも14~18パーセント膨れあがり、9億2000万~9億5000万レアル(約420億円~435億円)になったと発表されている。

 今後、来月17日にスタジアムを所有するコリンチャンスとフィゲレンセのこけら落としの試合が行われ、W杯開催のため防火テストに合格しなければならない。

 もはや残された時間は少ない――。

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