今後訪れる激しいポジション争い
もっともチームの修正のためにシステムを変更し、それが当たったのなら次の試合も同じ戦術を取り、再び本田がベンチに回る可能性だってあるはずである。「本田が悪くて落とされた、ということではないと思うよ」。チーム事情を熟知するレプッブリカ紙のベテラン、エンリコ・クロー記者はこう前置きしつつ、次のように語った。
「理由は戦術変更にある。攻撃的MFを削った4-3-1-2、これはベルルスコーニ会長からの要望に従ったものだ。3ボランチの一角にポーリが入ったわけだが、当然同じことを本田が出来るわけではない。
そしてトップ下にはターラブ、セカンドトップにはカカーが使われていた。ここまでのパフォーマンスを見て、本田よりはターラブの方が調子がいいと思って彼を残し、本田をスタメンから落としたのだろう」
本田の今後の見通しについて、クロー記者はこう語る。「今日はセカンドトップで使っても良いと思ったけどね。70~80mの上下動を彼にやらせるなんてそもそもナンセンスだし、ゴールを意識してプレー出来るから右サイドよりも遥かに合っていると思う。
ただ問題は、競争相手が多くなったということだ。攻撃的MFの枚数が1つ減らされた。つまりここから本田は、厳しいポジション争いに挑まなければならなくなる」
定位置は削られたが、本田にとっては本人の望むポジションで競争をさせてもらえるというプラスもあるだろう。シーズン残り2試合となってしまったが、彼の“反攻”に期待したい。
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