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主力の移籍? 監督の手腕?“常勝軍団”I神戸、5位低迷の理由。崖っぷちからの復活はあるのか?

text by 馬見新拓郎 photo by Getty Images

「攻撃のところは多く選手が抜けてイメージ通りいかない」

 ホームで迎えた開幕戦で浦和レッズレディースに敗れたことが尾を引き、今季は開幕2連敗からスタート。18節が終了するまでに2連敗を3回も経験した。

 I神戸はDF近賀ゆかり、MF澤穂希、MF南山千明、MFチ・ソヨン、FW大野忍といった代表クラスの選手を獲得した2011年シーズンから、常になでしこリーグの主役であり続けた。

 そして昨季、取れるタイトルすべてを取って4冠を達成した後、主力選手の多くが活躍の場を海外に求めた。

「今年は、昨季と今季のギャップと向き合うシーズン。特に攻撃のところは多く選手が抜けてイメージ通りいかないところがある。(退団により)試合出場の経験が少ない選手が多くなった」(前田浩二監督)

 澤に加えてGK海堀あゆみ、DF甲斐潤子、FW髙瀬愛実らI神戸を支えてきた選手が健在である一方、高校を卒業したばかりの新卒選手にも大きな負荷がかかる状況でシーズンインを迎えた。

 今季から指揮を執る前田監督は、途中投入の選手が流れを変える効果的な采配があったが、その逆の結果となった采配も確かにあった。

 対戦相手に合わせるという側面で、シーズン途中でフォーメーション変更にも着手したが、すべてが思うような結果につながったわけではなく、チーム状態を劇的に好転させることもできなかった。

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