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【徹マガ・スペシャルインタビュー】森哲也(フットボール批評編集長)「志を持った媒体であり続けないといけない」(その3)

アギーレジャパンのスタートと時を同じくして、日本のサッカーメディア界では2つの「批評」誌が誕生した。これまでの『サッカー批評』とは別に『フットボール批評』が立ち上がるという。『フットボール批評』は『サッカー批評』をこれまで制作していた編集部が携わることから多少の混乱もあるようだ。なぜこのような事態になったのか。宇都宮徹壱氏が主宰するメールマガジン「徹マガ」では『フットボール批評』の森編集長へインタビューした。その全文を3日間に分けて掲載する。

text by 宇都宮徹壱 photo by Tete_Utsunomiya

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創刊号は「アギーレ特集」にあらず。浦和レッズ、横断幕問題への真相レポートも

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フットボール批評 ISSUE01

――さて。記念すべき『フットボール批評』第1号のコンテンツをいくつかご紹介していただきたいんですけども、巻頭の記事が「不条理なレッドカード」。ミカミカンタさん、久々の登場ですね。

「これは浦和レッズの横断幕問題に関するレポートです。事件のその後について、クラブとサポーターの関係はどうあるべきか。これは、決して浦和だけの問題ではないと思いますので、今回の日本代表の特集ではないのですが、巻頭に持ってきました」

――その後、横浜F・マリノスのサポーターが、やはり人種差別的な事件を起こして問題になりましたからね。この件については、徹マガでも近いうちに取り上げたいと思っています(徹マガ編集長註:今号の編集長コラムでも取り上げています。次号以降に、特集記事をお送りいたします)。ところで、今回のサブタイトルが「アギーレを殺すのは誰か? 日本代表、ビジョンなき再出発。」となっています。まず目を引くのが、川崎の監督の風間八宏さんによるW杯総括ですね。

「これは日本代表っていうよりは、今回のW杯ではどういうチームが勝ち上がったのかというところを分析していただいています。結論としては、スタイルと武器が調和していないと、なかなか上位には進めないということですね。

 例えばスペインは、スタイルはすごく明確にあるんだけど、武器がそれに合致していない。そういった事例を掘り下げながら、日本代表にも当てはまる部分は十分にあるなと感じました」

――木村元彦さんの「8年前の刻印 オシムは何と戦ってきたか」というのは、8年前のオシム監督就任を振り返る内容でしょうか?

「まあそうなんですが、木村さんは単に昔話を書くことには抵抗があったと思うんです。でも僕は、8年前のことをしっかり書いていただくことで、それまで風化しつつあったことを蘇らせたり、教訓とすべき部分が露わになったりすると考えました。

 8年前といえば、ちょうど海外組が増えてきた時期でもあったので、マッチメイクの部分も含めて今でも教訓となる部分は少なくないと感じています」

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