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55.3%が“No”。国民を分断したスコットランド独立問題。英国人記者が示した見解、そしてサッカーに及ぼす影響とは

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

独立だった場合、EUへの加盟は困難。サッカーにも影響大

 現在、スコットランドはイギリスの一部としてEU加盟国の立場を保っている。それは、スコットランドのクラブが他のEU諸国の選手と容易に契約を結ぶことを可能としている。一方で、EU圏外の選手とサインするためには、厳しいビザの審査を通過しなければならない。

 FAは、イギリスのクラブに対してEU圏外の選手を獲得するためには、過去2年間で75%の代表戦に出場していなければならないという規定を設けている。さらに、その選手の国はFIFAランク70位までに位置していなければならない。しかも、今後50位以内に変更される可能性もある。

 仮に、スコットランドがEUの一員から外れれば、スコットランド人選手がEU圏内のクラブへ移籍することも難しくなる。そして、プレミアリーグとフットボールリーグにおけるスコットランド人選手の数は確実に減少しただろう。

 多くのスコットランド人はEUへの加盟は容易であると想像していたが、マッカーディー氏は確信を持ってはいなかった。そして、この分裂が及ぼす影響を懸念する他のヨーロッパ諸国の反応を不安視していた。

「スペインは拒否権を持っており、行使する可能性もある」と、彼は見解を述べた。確かに、カタルーニャとバスクがスペインからの独立を望んでいることからも、スコットランドの独立を簡単には認めないだろう。

 実際、スペインのマリアーノ・ラホイ首相は、最近勢いを増しているカタルーニャの独立運動に対して、スコットランドの独立を励ましと受け取って欲しくないという発言をしている。

 さらに、EUへの加盟は多くのプロセスを必要とし、何年もかかる可能性があること、そしてスペインが異議を唱える可能性があることも示唆していた。

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