サッカーもバスケも。多くの競技で主力多数のカタルーニャ人
独立するには十分な土壌は揃っているのだが、では、実際にカタルーニャが独立した場合、どういった変化がスポーツ界に起きるのか。
まず、スペインから独立する時点で、EUからも自動的に離れることになる。サッカーを例にとれば、スペインリーグは当然のこと、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグなどの参戦資格もなくなり、カタルーニャは独自のカタルーニャリーグを作り、どのサッカー協会に所属することになるのかの交渉になる。
モナコがフランスリーグに参加しているのと理屈としては同じだが、スペインリーグではなく、フランスやアンドラのリーグに参加できる可能性も皆無ではない。
EUの全参加国から承認されれば、再び、欧州大会に参加することは考えられるし、以前からの構想、欧州スーパーリーグ(それぞれの欧州の強者が集まり、ヨーロッパで一つのリーグを作る)ができあがれば、その新しいリーグ戦において、クラシコ―レアル・マドリー対FCバルセロナ―が行なわれることもあり得る。
一番心配されているのは、代表を始めとする国際レベルでの参加だ。サッカー代表では、セスク・ファブレガス、ジェラール・ピケ、セルヒオ・ブスケッツなどがスペイン代表から抜けることになり、バスケットボールでは、パウ・ガソル、フアン・カルロス・ナバロなど、NBAで活躍した選手らがスペイン人選手とみなされなくなる。
また、ロンドンオリンピックに参加したスペイン代表選手の内訳をみると、実に6割以上がカタルーニャ人選手であり、ホッケー、水泳、テコンドーなど多岐のスポーツに渡ってカタルーニャ人選手が活躍しているのがわかる。
もちろん、今すぐ、カタルーニャが独立宣言を行なうわけでも、クラシコがなくなるわけでもない。だが、クラシコに見られる対立意識が国内レベルで起きている。先のことは不透明とはいえ、私達は将来、訪れる変化に向けて、現在、ゆるやかなる変遷の時を迎えているのかもしれない。
【了】
フットボールチャンネルfacebookはこちら→
フットボールチャンネルTwitterはこちら→