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フットレ氏、八百長の事実を改めて主張「勝てばボーナスもあった」。自身はプレーを拒否

text by 編集部 photo by Getty Images

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アトレティコのヘスス・ヒル元会長【写真:Getty Images】

 16日、ポルトガル紙『レコルド』で八百長について告白したアトレティコ・マドリーの元FWパウロ・フットレ氏。これに対して元同僚のロベルト・ソロサバル氏は、無実を主張するも18日、フットレ氏が再び口を開き、全ての詳細をスペイン紙『マルカ』で語った。

 当時、リーガ最終節でエスパニョールと対戦したアトレティコは、この試合の結果に関係なく2位が確定していた。対してエスパニョールは、降格プレーオフ(当時のシステム)への参加を避けるためにはどうしても勝つ必要があった。

アトレティコのヘスス・ヒル元会長はフットレ氏に「パウロ、勝ってはならない。チームメイトたちに走るなと言ってくれ。エスパニョールとビジネスが成立している」と述べた。

 フットレ氏は、「会長、私はチームメイトにも伝えませんし戦力としても数えないでくれ。こんな条件でプレーはしたくない。貴方が皆に伝えてくれ」と臆することなく反論。これに対しヒル元会長は「ポルトガル人、お前は裏切り者だ。一生給料を払わないでやる」と激怒して返した。

 八百長に関わりたくなかったフットレ氏は、膝の痛みを訴え、招集リストにすら入らなかった。

 フットレ氏の元同僚、ソロサバル氏が「何も知らない」と言い切ったことに関しては、「侮辱されたと感じた全てのプロに謝りたい。ヒル会長が彼等に何を言ったのかまでは分からないからね。私が知っているのは、彼の私への言い分だ」と、謝罪した。

 ソロサバル氏は「勝つことによって第3者のボーナスはあった。最終的にはもちろん貰わなかったけどね」と語っている。これは、エスパニョールと残留争いをしていたチームが、アトレティコにボーナスを支払おうとしていた事実ということ。

アトレティコが勝てば自分たちではなくエスパニョールが降格していたかもしれないからだ。フットレ氏はこれに関しても認めた。「勝つことによってボーナスもあった。ようするにこれは金の問題ではなく、尊厳の問題だった」と、プロ精神を語った。

 へスス・ヒル元会長とは「愛と憎しみの関係」だったと語るフットレ。彼が亡くなってから10年がたった今、フットレ氏はどのような心境でこのスキャンダルを暴露したのだろうか。

【了】

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