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なぜ未だにサッカー界で体罰がなくならないのか?“強い選手”を育てるために本当に必要な指導法

勝利至上主義がもたらす問題

なぜ未だにサッカー界で体罰がなくならないのか?“強い選手”を育てるために本当に必要な指導法
畑喜美夫氏【写真:ジュニアサッカーを応援しよう!編集部】

 近年、蔓延る体罰や暴力問題。2012年度に体罰をしたと認定された教員は6721人で、被害を受けた児童生徒は1万4208人(文部科学省発表)と、これまで体罰が表面化せず見過ごされてきた実態が浮かんできました。

 やっとのことで手に入れた全国大会の出場を決めたのにもかかわらず、体罰や暴力問題が露呈し、出場辞退となるクラブもありました。または、実際に活動自体が停止するクラブも出てきています。さらには、指導者の体罰によって、子どもが行き場を失い、自ら命を投げ出してしまうケースにもつながっています。非常に残念でなりません。

 私が思うに体罰は、指導目的が勝つことにある場合、つまり「勝利至上主義」の場合に起こる可能性が高いように思えます。

 勝ちにこだわりすぎて、思うような結果が出ないことに苛立ち、ついつい子どもに手をあげてしまったとか、子どものふてくされた態度に頭にきたとか、理由はさまざまですが、すべての諸悪の根源がここにあるように思えます。

 これでは、子どもたちのことを本当に大切な存在と考えて向き合っているとは思えません。大人は、相手が子どもであれば、簡単に子どもを支配しようとします。身体の小さく、力のない子どもを心も身体もともに力ずくでねじ伏せるのは、簡単にできてしまいます。

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