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なぜ未だにサッカー界で体罰がなくならないのか?“強い選手”を育てるために本当に必要な指導法

text by 編集部 photo by junior soccer editorial staff

選手が主役となるための環境づくり

 私のコーチングというものは、選手の自主性を促す「ボトムアップ」を用いた指導です。この指導は、私がサッカーの指導に携わって以来、ずっと続けてきたものです。

 子どもは元来、自由な発想をして自分の意志で物事を押し進めていける権利をもち、そして発信していくことが本来の姿です。だから、私たちがまず考えなければならないことは、そのような子どもたちの能力を最大限に発揮できるようにすることです。

 幼稚園、小学校、中学校、高校を含めて自発的に考えて発信する力を育てていくことが、大人になって社会を生き抜くときにベースとなっていくのです。

 これからの時代を生きていく子どもたちにとって、指示待ちの人間にならず、自由な発想で発信したり行動したりすることを育むことが、大人の役割です。そうすれば大人になるにつれて的確な判断をしながら、問題解決をすることができるようになるはずです。

 そのためにも、子どもたちがはっきりと自分の考えをどんなときも言葉にすることができて、自由に動き出すことを認めてあげる環境が必要になるのです。

【了】

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プロフィール

畑喜美夫(はた・きみお)
1965年11月27日生まれ。広島県出身。広島県立安芸南高校教諭。小学生時代から地元・広島の広島大河フットボールクラブでサッカーをはじめ、東海大一高校(現・東海大翔洋高校)、順天堂大学でプレー。全日本ユース代表を経験、大学では総理大臣杯、全日本インカレ、関東選手権の3冠をとった。大学卒業後は、広島に戻って教鞭をとる一方で、広島大河フットボールクラブの小・中学生をサッカー指導。1996年に県立広島観音高等学校へ赴任し、同校サッカー部監督として指導。選手の自主性を促すコーチング術を取り入れ、2006年に広島観音高校サッカー部を全国優勝に導く。日本サッカー協会A級ライセンス、元U-16日本代表コーチ。著書に『子どもが自ら考えて行動する力を引き出す 魔法のサッカーコーチング ボトムアップ理論で自立心を養う』(小社刊)がある。

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