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後半巻き返すか。終了間際の失点でドローも、ポジティブがネガティブを上回ったドルトムント

text by 本田千尋 photo by Getty Images

引いてくる相手への対応、インモービレの活躍

 一方、ヴォルフスブルク戦において、ドルトムントの中にポジティブな部分が見えたのも事実である。ドルトムントの中盤でのプレッシングからのカウンターをかわすために、今季多くのチームはロングボールを交えながら、主に重点的にサイドから攻める形を取ってきた。

 しかしヴォルフスブルク戦を見る限りでは、ドルトムントの選手達はそうした敵の姿勢に慣れてきているところもあるようだ。

 後半に入って、ヴォルフスブルクは低い位置のダブルボランチを軸に、サイドへとパスを繋いでいったが、例えば左サイドではグロスクロイツ、ケール、シュメルツァーでしっかり対応するなど、ヴォルフスブルクは攻めあぐねるところもあった。

 確かに相手は矛先を変えてきたが、それも度重ねれば、逆にこちらも的を絞り易くなる。もちろん事はそう単純ではないが、サイドを起点とするカウンター、という新しい可能性も垣間見える。

 また1ゴール1アシストと結果を出したように、ここに来てインモービレもようやくドルトムントにフィットしつつある。これまでどこか余計な力が入って時折独りよがりなプレーも散見されたインモービレも、ヴォルフスブルク戦ではチームの一員としてのシンプルなプレーが増えていた。

 76分の、得点シーンが最たる例だろう。キルヒのカットに備えたポジショニングを取って、そのままボールを受け、ゴールに結びつけている。ポスト役としてはまだまだ不十分だが、インモービレは、昨季セリエA得点王という能力を保持したまま、そのスタイルをドルトムント仕様に変えつつある。

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