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[INTERVIEW]野呂輝久代表取締役社長 新スタジアムに見る夢

text by 鈴木康浩 photo by GANBA OSAKA , Stadium construction fund-raising organization , editorial staff

ガンバシストとは?

[INTERVIEW]野呂輝久代表取締役社長 新スタジアムに見る夢
ホーム戦の試合前に募金に立つ今野選手。多くの想いによって約133億円の金額が集まった(2014年12月15日現在)【写真:cGANBA OSAKA】

――まあでも、ガンバがうちに来てくれた、という反応が。

「多かったんですよね。だから話がすごく早かった。で、これは募金活動しているときに、せっかくだからと思いついたんですけど『ガンバシスト』いうのを作ったんですよ」

――ガンバシスト。

「ガンバアシストを縮めてガンバシスト。今までガンバには60社だけパートナーがついていたんです。皆さん大口ですね。ガンバシストは小口のスポンサーのようなもので『子どものため』『エコのため』というコンセプトを打ち出して、3万円、10万円の小口スポンサーを募金と同時に募ったんですよ。そうやってホームタウンとスポンサー担当のスタッフが、この2年間、地元企業をきめ細かく歩いて回って、ガンバシストでいえば平均4万円を400口ほど、トータルで1500万円ほどご協力頂いたんです。

 つまり言いたいことは、そんなふうに地元の企業を回ったら『ガンバがこんな活動しているんだ』『市民応援デーというのがあるんだ』『あの噂のスタジアムがもう建つのか』と、だんだん評判になると思うんです。で、最終的に4万人近く集客できるとなれば、掲出する看板の媒体価値も上がるわけです。お客さんの数が2倍になれば、単純に広告費も2倍に設定できる。そうなっていくためにも今はまず地道にホームタウンは耕さないと」

――その耕すというのが、万博競技場は収容率からするともう一杯になっていて。

「そうですね。耕したところでスタジアムには入れないし、看板も今以上にはもう入らなかった。大阪ダービーやレッズ戦はすぐチケットは売り切れます。ただ少ないときは1万人ほどのときもありますが、少ないときに合わせるわけにもいきません。こちらから売り込みにいけばすぐ満杯になって今度はクレームを頂きかねない。

 だから耕さなかったし、その必要もなかったという認識ですね。ただ、今度は4万人だから営業活動をして7割くらいの収容率で2万8000人、それだけ入れば満員感は出てくるはずです」

――募金活動やガンバシストで小口の支援者を増やすことが観客動員にも繋がる。その流れはできますかね。

「と、思いますよ。地元を開拓しているのだから、入口は法人だろうとファンクラブに入ってくれればいいわけです。今でもガンバには2万人のファンクラブ会員がいて、大阪府以外にも全国に飛び散っていて、関東在住の方も非常に多い。このファンクラブ会員はたったの3000円でグッズも付いてくる。

 で、このホームタウンだけで140万人、準ホームタウンを含めれば300万人が住んでいるのだから、その人たちに訴求せずしてどうするの? という話なんです。商圏としては300万人。まあ赤ちゃんやお年寄りも入った数字ですが、その1%でも3万人ですよ」

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