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ランパード契約延長に隠されたシティの“不誠実”。Jリーグも警戒すべき外資参入の危険性

text by ダン・オロウィッツ photo by Getty Images

サポーターからの怒声、クレームも

 この事実を認めていたとするなら、リーグとクラブの態度に疑問を抱かざるを得ない。

・契約の事情はいつから知っていたのか?
・もし“無契約”だったら、なぜランパードを“契約済”と披露したのか?
・そしてNYCFCの筆頭株主であるCFGの“本音”は何であろうか?

「ランパードがいつまでシティに残るかという質問は、(CFGは)どこまでMLSとNYCFCのファンをリスペクトしているかということになる」と米国の有名なサッカー記者グラント・ワール氏は31日に『スポーツ・イラストレイテッド』誌に書いた。「その答えは明らかに『リスペクトしてない』ということ」

 NYCFCが“独立したクラブ”ではなくて“シティのセカンドチーム”という存在になる可能性に関して、既にファンから怒声が次々と飛んでいる。

「私たちは表明します。CFGとランパード選手の決断に対して強く非難することを」とサポーター団体「ザ・ザード・レイル」は公式サイトで発表。

「ランパード選手がマンチェスター・シティの選手ではなく、NYCFCの選手として活動することを予想して多くのファンが既に年間チケットや応援グッズを購入しました」

「我々は今までオーナーシップをブレることなく応援してきましたが、これはまったくもって許すことができません。NYCFCがシティのセカンドチームであることを一切否定します。CFGがこのような姿勢を見せることを非常に残念に思います」

 ツイッターやインターネット掲示板では不満な投稿が殺到している。年間チケットの払い戻し等を求めるファンも少なくない。あるニューヨークのサッカーショップも「この店でランパードのユニフォームを買ったお客さんを対象として返品や他の選手ユニフォームとの交換を行います」と発表した。

 さらに“誇大広告”としてMLSやNYCFCが集団訴訟のクレームを受ける可能性も出てきた。「二度裏切られることはない」で知られるニューヨークの厳しい市場からのイメージダウンも予想される。

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