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スポーツと政治をともに考える――。元仏代表テュラム氏が示すフランス再起への“勇気”

text by 編集部 photo by Getty Images

W杯優勝がフランスにもたらしたもの

 インタビューの話題は、1998年フランスW杯に及んだ。17年前、自国開催となったフランス代表がW杯で優勝したときのメンバーは、様々な文化をルーツに持つ選手が揃っていた。それについて聞かれたテュラム氏は以下のように答えた。

「W杯での優勝で、そういった多文化の重要性が理解された。その勝利はフランスの社会のためにとても重要だったんだ。

 みんな勘違いしないでほしいのは、現在は差別が以前に比べて減ってきているということだ。状態が悪くなっているとは考えないでほしい。問題なのは、不況なときこそ、社会の平和のために本当に良い政治家が必要なことだ。

 不況な時は、必ず失業者が出てくる。もし、政治家が不況を移民のせいにしてしまったら、みんなそれを信じてしまう。政治家が経済的な問題に対処できないとき、あるグループのせいにしてしまうのは簡単なことだ」

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