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柏レイソル、2015補強診断。失った芯を取り戻し、逆襲の年。吉田新監督のもと再びタイトル目指す

text by 編集部 photo by Getty Images

補強は攻撃陣がメイン。ACLでは守備のもろさを露呈

柏レイソル、2015補強診断。失った芯を取り戻し、逆襲の年
新加入選手の中で目玉はクリスティアーノと大津祐樹の2人【写真:Getty Images】

 新加入選手の中で目玉はクリスティアーノと大津祐樹の2人だ。どちらも独力で局面を打開できる爆発力を備え、レアンドロと工藤になかったリズムをもたらせる。

 ただ、クリスティアーノは昨季の終盤戦、甲府でスタメンの座を失った。というのも、シュート意識の高さに反して決定率が低く、チャンスを自ら潰してしまう場面が多く見られたからだった。単独で流れを変えられるポテンシャルはあるだけに、ジョーカーとしての起用にとどまるのか、プレーの確実性を上げてレアンドロや工藤を脅かす存在になるのか、注目したい。

 オランダ2部VVVからの移籍加入となる大津祐樹は、コンディション不良から調整が遅れている。それでも積み重ねてきた実績はチーム随一で、かつてのようなダイナミックなドリブル突破からのチャンスメイクを見せられれば、優勝争いに向けて大きなアドバンテージになるだろう。ACLの2試合を終えて未だ本来の力を発揮できていないが、期待は大きい。

 千葉からの復帰となった山中亮輔にとって、昨季は試練の年だった。序盤4試合こそ先発出場していたが、その後は途中出場がメインに。キャリアハイの合計23試合に出場したが、先発出場はわずか8試合にとどまった。

 2列目左サイドでの起用が多く、強烈な左足キックとセットプレーで脅威となったが、コンスタントに力を発揮することはできなかった。今季もユースの先輩である輪湖の後塵を拝しているが、これまで以上の奮起とポジション争いに注目だ。

 J1は開幕前だが、柏はすでにACLで2試合の公式戦を消化している。そこで見えてきた課題はディフェンスラインの組織力と決定力不足だった。

 チョンブリ戦でも全北現代戦でも1本のパスで簡単にディフェンスラインの裏を突かれる場面が目立ち、チョンブリには2得点を許した。

 攻撃陣もクリスティアーノをはじめとしてシュートが全く入らず、30本以上打ってやっと勝利につながるという現状だと、J1では苦戦を強いられるだろう。

 本格的なシーズン開幕まで短い期間しかないが、最初の1ヶ月でこれらの課題をどれほど修正できるかが、タイトルへの鍵になるのではないか。

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