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ポール・スコールズ「イングランド勢はCLで未熟さをさらけ出した」

text by フットボールブルー photo by Getty Images

ユナイテッド時代と比較するスコールズ氏

 過去2週間を通して、CLを戦ったイングランド勢の監督や選手たちは二流だと感じられた。バルサ、レアル・マドリー、バイエルン・ミュンヘンの中からどこか1チームをプレミアリーグに連れて来れば10ポイントや15ポイント差で優勝できるだろう。PSGやユベントスでさえも、現在プレミアリーグの上位にいるどのチームよりも優れたチームに見える。

 競争の分厚さという面で我々のリーグがよりハードだというのは理解できる。スペインやドイツやイタリアと比べて、リーグ内の下半分のチームとの対戦はより厳しいものになる可能性が高いだろう。だが、過去には各チームが国内での成功とCLでの成功を両立できていなかったわけではない。1999年と2008年にはマンチェスター・ユナイテッドがリーグと欧州カップの両方で優勝している。

 トレブルを達成した1999年のシーズンには63試合を戦ったが、一度たりとも疲れたと感じた記憶はない。リーグタイトルを勝ち取ったのはシーズン最終戦だったし、そこに至る道のりを通して、3冠全てを獲得できる千載一遇のチャンスはどの試合で失われてしまう可能性もあると常に感じていた。いつ呼ばれても戦う準備のできている選手が22人揃っていた。

 今シーズンの失敗の根底にあるものとは何か? スペインの2強とバイエルンには、CLで戦っていたイングランドのチームよりも単純に良い選手がいたということだと思う。

 そうではあっても、バルサと戦うやり方はある。シティは、それをやらないためにはどうすればいいかを見せてくれた。バルサと戦う時には、ほとんどの時間守ることになるのは分かっている。本当に最高レベルの集中力を保たなければならない。一瞬でも気を抜けばやられてしまう。フィジカル面の挑戦であるのと同じくらい、メンタル面の挑戦でもある。

 ユナイテッドが2008年準決勝の2試合でバルセロナを破った時には、奮闘して力を使い果たしながらも勝ち進むことができた。2009年と2011年の決勝ではそのレベルに達することができずに代償を支払わされた。今回のシティはまたしても、バルサがどう戦うのかを知らずにカンプ・ノウに乗り込んだかのようだった。

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