「ケインとデルフもチャンスを活かした」
現代の指導における風潮では、ひとつのパフォーマンスを過度に強調することはなく、一人の選手を時間をかけて開花させようとしている。だが結局のところ、いつまでも先送りにはできないということを受け入れなければならない。若い選手はどこかの時点でチャンスを掴み、不動の立場を確保しなければならないのだ。
ルーニーは非常に若い段階でそれができた。ハリー・ケインもトッテナムで同じことをしている。ワールドカップ以降、デルフがイングランド代表でチャンスを活かしたのも良かったと思う。むしろ、ケインとデルフの躍進はバークリーからある程度スポットライトを逸らしており、彼はそれを歓迎すべきかもしれない。
バークリーを見ると、18年前のトゥルノワ・ドゥ・フランスのナントでのイタリア戦で一緒にプレーしたある選手を思い出す。その試合では交代出場だったポール・ガスコインだ。キャリアの全盛期には輝かしい創造性を持った選手だった。バークリーには、ルーニーのような部分も少しあると思う。彼にはデルフやヘンダーソンのようなエネルギーと熱意もあり、同時に創造性もある。より手強い国との戦いでイングランドに勝利をもたらすのはそういう能力だ。
バークリーについて色々な人と話をすると、プロ意識や献身性を誰もが絶賛している。彼は誰よりも必死に練習する若者のようだ。彼に関して、サッカーと関係のない話題を目にすることは滅多にない。
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