ミランも撃破したサッスオーロ。躍進続ける“小さなクラブ”を読み解く2つのキーワード。13年間の健全経営で培ったチームの哲学とは?

今季は4試合を残してユベントスの4連覇が決まったセリエA。パルマが財政難により破産するなど経営に苦戦するクラブもある中、健全なクラブ経営と有望な若手選手の活躍により近年のセリエAで躍進を続けるクラブがある。緑のユニフォームを纏うサッスオーロは、ビッグクラブから勝ち点を掴み取り、クラブ初のセリエA挑戦から2季連続の残留を確定させている。小さな街をホームタウンに構える彼らがなぜセリエAで躍進を続けているのだろうか。

2015年05月20日(Wed)11時08分配信

text by 神尾光臣 photo Getty Images
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小さな街のクラブ、サッスオーロ

ミランも撃破したサッスオーロ。躍進続ける“小さなクラブ”を読み解く2つのキーワード。13年間の健全経営で培ったチームの哲学とは?
ミラン相手にハットトリックをマークしたドメニコ・ベラルディ【写真:Getty Images】

 17日、レッジョ・エミリアのマペイ・スタジアムで見せられたのは、またもドメニコ・ベラルディのゴールラッシュだった。14年1月、本田圭佑のデビュー戦で4点を奪った彼は、今度もミランからトリプレッタ(1試合3得点)を達成した。1月6日、サン・シーロでの対戦でも2アシストを記録しており、これですっかり“ミランキラー”である。

 しかし、サッスオーロはベラルディ一人で持っているチームではない。ミランのCBを振り回し、3点目をアシストしたシモーネ・ザザはイタリア代表に定着。この試合では精彩がなかったが、ニコラ・サンソーネも高速ドリブルと華麗なシュートで注目を集める若手だ。下部組織の生え抜きで19歳のSBレオナルド・フォンタネージも堂々と活躍。パオロ・カンナバーロやGKアンドレア・コンシーリなど、セリエAで実績を残したベテランや中堅も加え、チームとしての競争力の高さも披露していた。

 基本的に攻撃的なサッカーをしているため失点も多いが、ハマった時のインパクトは強烈だ。今季はインテルやナポリにも勝ち、そしてホームでは首位ユベントスからドローをもぎ取った。「外国人が多すぎる」といわれるセリエAの中にあって、イタリア人中心の選手構成も異色を放っている。

 しかしもっとも際立つのは、ホームタウンであるモデナ郊外のサッスオーロが人口たった約4万人の小さな街という事実だ。クラブ創立は1920年、しかしセリエAの初昇格はほんの2年前。ホームで開催するにはスタジアムが小さすぎ、他会場に求めたようなクラブがどうしてここまで成り上がることができたのか。

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