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代表 9年前

ブラジル、長引く低迷の要因は? 険しい王国再建への道。W杯出場を疑う悲観的なメディアも

text by 編集部 photo by Getty Images

国内で活躍するストライカーは国外の選手

 1986年のメキシコ大会のメンバーで、現在グローボ局で解説を務めるカーザグランデは「史上最低の世代だ」と切って捨てたが、ドゥンガの手腕というよりはブラジルのサッカー界が潜在的に抱えるクラッキ不足がセレソンの成績に直結している。

 準々決勝の敗退後「かつてのブラジルにはサブにもクラッキや背番号9タイプがいたものだが」と嘆いたがネイマールを欠くブラジルが送り出したのが31歳のロビーニョやドゥンガが見出したフィルミーノら。

 ロマーリオとロナウドを擁し、南米王者に輝いた1997年大会やリヴァウドとロナウドが得点王を分け合い、ロナウジーニョが鮮烈なプレーを見せた1999年大会と比べると、前線のタレントの質は比較するまでもない。

 サブにテベスやイグアインを抱えるアルゼンチンの豪華さとは対照的な有り様だ。

 2010年のW杯南アフリカ大会では、そのメンバー選考も批判の的となったドゥンガではあるが今回のコパ・アメリカでは概ね、誰もが納得する顔ぶれが選出されたというのが手厳しいブラジルメディアの見方である。

 ブラジルが引き綴り続けている懸案事項は、ロナウドを擁した2006年のドイツ大会以降、現れていない背番号9タイプの不在である。

 そんなカナリア軍団の悩みを象徴するのが昨今のブラジル国内リーグである。

 既にバブルは弾け、ビッグクラブでも給与の遅配が目立つなどかつてほどの隆盛を見せていないブラジルではあるがブラジル全国選手権で近年、存在感を見せるのは「グリンゴ(よそ者)」のスラングで呼ばれる南米他国のアタッカーである。

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