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【新国立問題】安藤氏会見も残る不安。リーダー不在、責任のなすりつけ合いで混迷はさらに続く

混迷が続く国立競技場問題。デザイン競技審査委員長の安藤忠雄氏が16日、記者会見を開いたが、不安は解消されなかった。

text by 植田路生 photo by Getty Images

五輪招致のためのザハ案選択

【新国立問題】安藤氏会見も残る不安。リーダー不在、責任者のなすりつけ合いで混迷はさらに続く
安藤忠雄氏【写真:Getty Images】

 独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)は16日、新国立競技場に関する記者会見を都内で開き、同競技場基本構想国際デザイン競技審査委員長の安藤忠雄氏とJSC河野一郎理事長が登壇した。

 新国立競技場は総工費が2520億円にまで膨れ上がり、計画の見直しを求める声が高まっている。安藤氏は消費税増税や物価上昇にともなう工事費の上昇には理解を示したが、それ以外の大幅なコストアップにつながった詳細については「承知していない」とした。

 工事費の増加はザハ・ハディド氏による斬新なデザインによるところが大きい。一部でデザイン案の見直しもあり得るとの報道もあったが、安藤氏はそれを否定。2016年五輪招致に敗れたことを引き合いに出し、「2020年は勝ちたかった。ザハ案は斬新。勝って欲しかった。日本がこんなものを作れるのか、というものを皆で選んだ。建築は芸術だし、日本ならできる」と2020年招致のためにデザインを選定したことを強調するとともに、「ザハの案は残して欲しい」と語った。

 ザハ案に関しては建築家を含めて技術的な難しさなどを指摘する声も多い。安藤氏は「日本の技術力を結集すれば実現できる。ザハ氏と日本の設計チームによる次の設計段階で調整が可能と考えられる」との見解を示し、「国民の1人としてお願いする。これはできます。ゼネコンもお金のためじゃなく、日本のためにやっている」とザハ案で進めることを力強く語った。

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