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全てを変えたメッシの29分間。バルサの強さを取り戻させた凄み。その裏にある危険度

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

わずか29分間でバルサの強さを取り戻させたメッシ

 そして後半に入ると50分にフェルナンド・トーレスが先制点をゲット。アトレティコは思惑通りの展開でリードを奪うことに成功した。

 しかし、バルサの根本的な強さが発揮されたのはこの直後から。54分にゴール正面で得たFKのチャンスでネイマールがコース、スピードとも完璧なシュートを決めて同点。粘り強くゲームプランを実行して先制点を奪ったアトレティコから、あっさりとリードを取り上げてしまった。

 さらに59分にラキティッチに代わってメッシが投入されると試合は一変。完全にバルセロナのペースとなった。

 メッシ投入後のバルサの「アクション・エリア」を見ると、敵陣で60.89%まで上昇。アルバも敵陣で71.43%まで攻め込むことが可能となった。

 その結果、わずか29分間でチャンスメイク4回、シュート5本と前半45分間と変わらぬ数字を記録した。

 特にメッシ個人のスタッツを見ると、上記の通り29分間のプレーで1対1を10度制して両チーム最多。チャンスメイク数でもフル出場したイニエスタの3回に次ぐ2回を記録してチームの攻撃を活性化。77分には今季初得点となるゴールでチームを勝利に導いた。

 この29分間のバルセロナは、今季の3試合で最高のパフォーマンスを見せ、同時にメッシの凄さを改めて突きつけた結果となった。

 一方で問題点に触れると、メッシに代わって右ウイングに入ったのはラフィーニャ。そもそもラフィーニャはウインガーではなく中盤の選手であり、ネイマールが欠場した開幕戦でも左ウイングに入ったがインパクトを残すことはできなかった。

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