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セリエA 9年前

崖っぷちに立たされた本田。晴れ舞台“ダービー”で露呈した力なき「10番」

text by Keiske Horie photo by Getty Images

ミラニスタが希望を抱いた帰ってきた悪童

崖っぷちに立たされた本田。晴れ舞台“ダービー”で露呈した力なき「10番」
ミラニスタに希望を抱かせたマリオ・バロテッリ【写真:Getty Images】

 この試合でミラニスタにとって唯一といってもよいポジティブな要素が“帰ってきた悪童”マリオ・バロテッリのパフォーマンスだった。途中出場後、そのまま本田から譲り受けたフリーキックを蹴ると、可能性のあるシュートを披露した。

 その後も幾度と無くセットプレーから正確なキックを供給。77分にはペナルティエリア外から強烈なミドルシュートを放つと、ボールは惜しくもポストを弾く。この日ミランが最もゴールに近づいた瞬間だった。

 ミランを勝利に近づけるという側面においては、バロテッリは間違いなく本田よりも「10番」という存在に相応しかった。この兄弟クラブであるインテルとのダービーで、本田の評価が大きく低下したことは避けられない事実だ。ミラニスタたちは同選手がアジアで過酷な代表戦を戦ったからといって、低調なパフォーマンスを見逃してくれることは決してない。

 チームにとっても、開幕戦の敗北から立ち直りつつある勢いを挫かれる手痛い敗戦となってしまった。ロッソネロ(赤と黒)のユニフォームを身に纏ってから3年目。背番号「10番」を背負う本田は未だかつてない崖っぷちに立たされている。

【了】

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