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【現地レポート】序盤を終え、岡崎はプレミアで通用したのか? 低くはない評価とその先に求めるもの

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

昨季チーム得点王からポジションを奪取

 最終的にストライカーとしての評価の指針となるのが、ゴールなのは間違いない。しかしその一方で、このリーグでは一部の特別なFW以外は、ゴールやアシスト以外でもチームに貢献しなくては試合では使ってはもらえない。

 そのうえでは、岡崎の献身的なプレーは非常に有効だ。たとえば結果的に決勝点となったノリッジ戦の2点目は、岡崎が自陣でプレスバックしてボールを奪ったプレーから始まっている。

 岡崎はいう。「今、なんていってもこのチームで(バーディーは)6点、7点取っていて、5点取っているやつ(リヤド・マレズ)もいて。その時期に自分も取っているというのは難しい。今はチャンスがそいつらに回ってきていて、自分は我慢。ただ絶対、これを続けていれば自分も何かを見つけることができる」

 昨季のバーディーは34試合に出場して5得点だった。それが今季は、チームのエースストライカーに成長し、序盤のPL得点王レースをけん引している。一方、昨季のチーム得点王であるレオナルド・ウジョアは、岡崎にポジションを取られた格好だ。

 前述のノリッジ戦後の会見では、イタリア人指揮官が「開幕戦からすぐに適応した。だからウジョアやクラマリッチではなく、シンジを起用している」と話しており、岡崎への信頼度の高さが伺える。

 我々は同じ日本人のためにひいき目に岡崎を見てしまい、さらにチームの好調も手伝ってレスターがスモールクラブであることを忘れがちだ。ただ客観的にチームの規模を考えたうえで、ほかの欧州トップリーグと比較しても1年目から成功するのが困難とされるPLであることを考慮すれば、ここまでの健闘自体が上出来といえる。

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