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EURO2016 9年前

自国開催のEURO迎えるフランス代表。指揮官の“嬉しいお悩み”とホスト国特有のハンデとは?

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

好調の攻撃陣。前線3人の本戦行きは確定?

自国開催のEURO迎えるフランス代表。指揮官の“嬉しいお悩み”とホスト国特有のハンデとは?
フランスで流行の髭スタイルでゴールを量産中のFWカリム・ベンゼマ【写真:Getty Images】

 攻撃陣は、怪我さえなければベンゼマ、グリーズマン、バルブエナの3人の本戦行きは確定だ。山賊のような立派なあご髭をたくわえた(最近、ヨーロッパの男性の間ではこのような髭スタイルが大流行している!)ベンゼマはアルメニア戦で2点をマーク。

 また先制点をあげたグリーズマンともリズミカルなワンツーでコンビプレーが機能しているところを見せつけた。

 ディナモ・モスクワからリーグ1に復帰したバルブエナも得意のクロスでキャバイエの得点をアシスト。流動的に動けるこの3人を生かしたプレーが、現代表のオフェンススタイルとも言える。

 ここに加わるのが、ポストプレーで使えるジルー、今季ウェストハムで好調なパイエット、国内組のトップランナーであるラカゼット、若手のフェキールやヌテップ、そしてマンチェスター・ユナイテッド移籍で気を吐くマルシャルらだ。

 今回デシャン監督はパイエットの招集を見送ったが、今夏プレミアリーグに巣立って以来「今季もっとも成功した移籍」とさえ言われている彼の不在についてはメディアから非難が噴出した。

 パイエットはこれまでもサンテティエンヌ、マルセイユとクラブでは攻撃の中核として活躍し、代表入りを果たしてきたが、肝心の実戦で目立った活躍がないことでデシャン監督も起用法に考えるところがあるのかもしれない。ウィンガー型の攻撃手の人材は豊富であるから、重複を避ける意味でも慎重になっているのだろう。

 今季ニースですでに6得点と絶好調のハテム・ベナルファについても、代表復帰を望む声が上がっている。デシャン監督は会見の場で「今の好調を持続できるか観察したい」と述べ、招集の可能性については否定も肯定もしなかった。

 しかし、ベナルファとはマルセイユ監督時代に衝突した過去もあり、ナスリをきっぱり切り捨てたときのようにチームの和を重んじる指揮官が、このクラッキを敬遠することもありうる。

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