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“らしさ”取り戻したバルサ。その中心にネイマール。今、メッシと対等の存在に並び立つ

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ボールタッチ100回以上。攻撃の新たな起点となるネイマール

“らしさ”取り戻したバルサ。その中心にネイマール。今、メッシと対等の存在に並び立つ
大きな要因となったのがネイマールの存在だった【写真:Getty Images】

 そして、このDFライン以上に大きな要因となったのがネイマールの存在だった。

 ネイマールは、57分にセルジ・ロベルトのクロスに合わせてチーム2点目を決めた。貢献度はそれだけではない。105回のボールタッチに79本のパス、6本のクロス、そして6度の1対1に勝利した。

 中でも、ボールタッチ105回という数字は特筆すべきだろう。ネイマールにとって3桁超えは初めてのことであり、メッシが先発していれば、およそ40~50回にとどまる数字でもある。

 これは、ネイマールへの信頼度が急速に高まっていることの表れでもある。メッシ不在のここ4試合、ネイマールは得点にアシストにチームを勝利に導く1人として存在感を強めている。

 今季、スタートから今ひとつ“らしさ”を出せていなかったバルサは、追い打ちをかけるようにメッシが負傷離脱。攻撃において、他の誰よりも信頼される起点を失ったかに思えた。

 しかし、その中でネイマールがその起点として周囲の信頼を勝ち得た。その結果、チームは再び支配力を取り戻すことができた。現在、ピッチ外では騒動の中にあるが、それでもピッチ内では惑わされることなく着実に成長を続けている。

 ネイマールはこの数試合の活躍で、メッシがいなくともバルサを勝利に導ける存在であることを証明した。そういった意味では、メッシと対等の立場に並び立ったといえるだろう。

 この先、メッシが復帰した際にはさらなる化学反応で攻撃力を爆発させるのか、それとも…。今サッカーを語るには、このネイマールから目を離してはいけない。

【了】

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