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セリエA 8年前

覚醒したダイアモンド。ジダンとピルロの系譜を継ぐ男が導くビアンコネーロの逆襲劇

text by Keiske Horie photo by Getty Images

起用法を巡って古巣会長が激怒

覚醒したダイアモンド。ジダンとピルロの系譜を継ぐ男が導くビアンコネーロの逆襲劇
2012年にディバラを獲得したザンパリーニ会長【写真:Getty Images】

 ディバラのユベントスデビューは最高の形で訪れた。8月8日に中国・上海で開催されたスーペルコッパ・イタリアーナで途中出場を果たすと、強烈な左足のシュートを蹴りこみデビュー戦でゴールを決めた。その後も同選手はフル出場こそ少ないものの、継続的にゴールを積み重ねチーム内得点王をキープする。

 しかし、セリエAで下位に沈んでいたユベントスを古巣であるパレルモのマウリツィオ・ザンパリーニ会長が糾弾する。「アッレグリにディバラが破壊される」と指揮官を批判し、「同選手により自由を与えろ」と叫んだ。

 この批判に対してアッレグリ監督は「ディバラに過度なプレッシャーを与えることは好ましくない」と反論。また、同選手を「よりバイタルエリアでのプレーを覚える必要がある」と分析した。

 実際にイタリア紙の分析によれば、ディバラはパレルモ時代は右サイドでのプレー時間が長かったことに対して、ユベントスではバイタルエリアでのプレー時間が増えていることがわかっている。カウンターから広いサイドのスペースを利用できたパレルモ時代に比べ、ユベントスでは引いた相手に対してDFが密集するバイタルエリアでのプレーを強いられるのだ。

 それでも、着実にゴールを積み重ねたディバラは移籍後17試合で16試合に出場し6ゴールを記録した。これはアレッサンドロ・デル・ピエロ(14試合出場3ゴール)を超え、前エースのテベス(17試合出場7ゴール)に匹敵する数字だ。さらに1ゴール当たりのプレー時間に関しては「151分」と、テベスの「198分」を上回っている。

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