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バルサの中盤に新たな可能性を示したアルダとセルジ。3冠連覇へ“アクセル”となるか

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

攻守にキーマンとなったセルジ・ロベルト

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セルジ・ロベルトはアンカーとして先発【写真:Getty Images】

 中盤の底でボールを完璧に振り分けていたセルジは58分にチーム3点目となるゴールも生み出した。敵陣中ほどからスルーパスを送ると、反応したネイマールがペナルティエリア内へと攻め込むと、ゴールからやや左横からシュート。これはポストに阻まれたものの、こぼれ球にメッシが詰め寄ってゴール。アシストこそつかなかったものの、セルジのパスが得点を生み出した。

 さらに守備面でも貢献。7回のタックル、3回のインターセプトはいずれもチームトップ。攻守に中盤を引き締める存在としてバルセロナを司っていた。

 バルサの陣容を見ると、これまでアンカーを務めることができるのはセルヒオ・ブスケツとハビエル・マスチェラーノの2人と見られていた。しかし、マスチェラーノはCBのレギュラーであるため、実質ブスケツ1人という状況だった。

 今後、疲労蓄積や出場停止の可能性を考えるとアンカーの層の薄さは大きな不安要素だったが、セルジがハイレベルなパフォーマンスを見せたことで、その不安が一気に解消されたといえるだろう。彼が“器用貧乏”になってしまう危険性はあるが、バルセロナにとっては大きなプラスとなるはずだ。

 右SBとして先発したアレイクス・ビダルは、敵陣でのプレーが45.76%とバルサのSBに求められる要素をクリアすることができず、優れたパフォーマンスを示すことはできなかった。それでも本来はウイングの選手だけに、チームにフィットすることができれば、年齢的な能力の低下を感じさせているダニエウ・アウベスのバックアップ、さらには後釜として有力な存在となるだろう。

 前半戦では補強禁止という処分の影響もあり、やはり選手層の薄さに苦戦する状況もあったが、この一戦で大きく改善されたことが証明された。これから佳境を迎える中、この新たな戦力たちが2季連続の3冠へバルセロナを一気に加速させる“アクセル”となる可能性は十分に高い。

【了】

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