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香川真司 8年前

香川は反省も…内容が悪くとも勝ち切る。ドルトムントが見せた“しなやかな強さ”

ドルトムントはインゴルシュタットをホームで迎えた一戦で2-0と勝利を収めた。しかし、先発した香川真司が試合後に口にしたように連係不足に苦しむ展開となった。それでも、内容が悪くとも勝ち切る強さを今季のドルトムントは持っている。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「なかなか思うような戦いが出来なかった」

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香川真司は「なかなか思うような戦いが出来なかった。連係不足はあった」と振り返る【写真:Getty Images】

 2-0という名の辛勝だった。2016年1月30日、ブンデスリーガ第19節、2位ボルシア・ドルトムントは10位インゴルシュタットをホームに迎える。ドルトムントにとっては、後期のホーム開幕戦である。

 冷たい風が吹き、ピッチは雨に濡れた。そんな悪天候を反映するかのように、前半のBVBは精彩を欠いた。もちろん天候とチーム・パフォーマンスの間に直接的な関係はないが、BVBからは、前節にボルシアMGを相手に快勝したような連動が失われていた。

 香川真司は「なかなか思うような戦いが出来なかった。連係不足はあった」と振り返る。8分、後方のムヒタリヤンからのパスを、ラモスがエリア内の右からゴール前に折り返そうとするが、トラップミス。ファーには香川が走り込んでいたが、チャンスは潰えた。

 オーバメヤンは「インゴルシュタットはディフェンスがとても良く組織されていた」と感じた。決して引くことなく、タイトに、時としてラフにBVBに向かう。早い寄せと、スライディングタックル。 

 インゴルシュタットのCBマーヴィン・マティプは「今日の僕らのフットボールは常にスペクタクルなものではなかった」と振り返る。

「ドルトムントの方が良かった。だけど僕らは全身全霊を込めて、ファイティングスピリットを示したんだ」

 ドルトムントは16分に直接FKからチャンスを作り出したが、20分を過ぎてなお、シュートまで持って行くことが出来ない。

 35分。ドゥルムの左サイドからのクロスに、飛び込んだオーバメヤンが右足で合わせる。GKエツチャンが弾く。ラモスが頭で詰めるが、ゴールの右に外れる。前半で唯一と言っていい決定機だった。インゴルシュタットのタフな守備を向こうに、BVBは“らしさ”を発揮できなかった。

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