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オールコートプレスに苦しむも…劣勢を打開するレアルの技術と精度、そして不安要素

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

異なる展開となった前半20分までとその後

 そして、その中でビルバオは10分に同点に追いつく。GKイライソスが一気に敵陣まで届くロングフォードを送り、ゴールを目指して運んだボールが一度はマドリーのDFヴァランに渡るも、これをGKナバスに預ける際に連係が乱れる。そのボールに詰めていたハビエル・エラソがゴールに押し込んだ。

 その後もペースをつかんだのはビルバオ。ボールホルダーへのプレスでマドリーからボールを奪うと、ショートカウンターからゴールに迫る。2点目のチャンスを多く作り出していたのはアウェイチームの方だった。

 しかし、それが続いたのは20分まで。20分を過ぎると、ハイペースで試合に入ったビルバオの選手たちは息切れを起こし、逆にマドリーの選手たちは時間の経過とともにビルバオのプレスに対処する策を見出していた。

 前半45分間を20分までのその後の25分に分けてマドリーのスタッツを見てみると、20分までの支配率55.7%、パス成功率79%、成功本数98本、チャンスメイク1回、シュート2本と明らかに抑え込まれていた。

 逆にその後の25分では支配率65.5%、パス成功率90%、成功本数192本、チャンスメイク3回、シュート7本と大きく向上していた。

 そして37分には渦中のハメス・ロドリゲスがシュート技術・精度の高さを見せ付けるゴールを決めると、アディショナルタイムにはクリスティアーノ・ロナウドのアシストからトニ・クロースが決めて3-1とリードを広げた。

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